HYG:iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債ETFの詳細解説
この記事では、インカム投資の王道であるハイイールド社債のHYG:iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETF について詳しく解説します。メリット、デメリット、パフォーマンスと他のETFとの比較など、HYGへの投資を解説しています。
はじめに
正式名称にある通り、iBoxx社との共同で運用している米国ETFとなります。iBoxx社は債券運用に強みを持つ会社となっており、適格社債のLQDもiBoxx社との冠がついていますね。
インカム収入では王道となるハイイールド社債のこのETFについて説明をしたいと思います。
HYGの基本情報
さて、ハイ・イールド社債は格付けが下位のリスクが高い社債です。このような社債を1社だけ持っていては、リスクも大きくなります。そこで1000社以上に投資をして分散をさせて倒産のリスクに対応をしています。
そうすることにより、より高い利回りを得つつ、分散投資によってリスクが低減するという効果が出ています。ただし、アメリカの企業の大半が壊滅するような事態が起きたら別ですが、、、。その時は世界中がえらい騒ぎですね。
iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETF(iShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond ETF)はMarkit iBoxx USD Liquid High Yield Index(同指数)の投資成果を目指すファンドである。同指数はルールズベースド型の指数で、インデックスプロバイダにより指定されたドル建ての売却可能の高利回り米国流動社債を含む。
運用会社 | ブラックロック |
銘柄名 | iシェアーズ iBoxx 米ドル建て ハイイールド社債 ETF |
指数 | Markit iBoxx USD Liquid High Yield TR |
上場市場 | NYSE Arca |
経費率 | 0.48% |
銘柄数 | 1203 |
分配権利落ち日 | 2023/5/1 |
分配権利確定日 | 2023/5/2 |
分配配当日 | 2023/5/5 |
最終分配金 | $0.33 |
分配頻度 | 毎月 |
銘柄 | 構成比 |
---|---|
TransDigm, Inc. 6.25% | 11.09% |
BlackRock Cash Funds Treasury SL Agency | 9.55% |
Mozart Debt Merger Subordinated Inc. 3.88% | 6.40% |
Tibco Software Inc 6.5% | 5.57% |
DISH Network Corporation 11.75% | 4.09% |
AAdvantage Loyalty IP Ltd/ American Airlines Inc 5.5% | 3.50% |
Directv Financing LLC/Directv Financing Co-Obligor Inc. 5.88% | 3.40% |
Caesars Entertainment Inc New 6.25% | 3.29% |
Teva Pharmaceutical Finance Netherlands III B.V. 3.15% | 3.28% |
CCO Holdings, LLC/ CCO Holdings Capital Corp. 5.13% | 3.28% |
セクター | 構成比 |
---|---|
素材:Basic Material | 0.0% |
一般消費財:Consumer Cyclical | 0.0% |
金融:Financial Service | 0.0% |
不動産:Real Estate | 0.0% |
通信:Communication Service | 0.0% |
エネルギー:Energy | 0.0% |
資本財サービス:Industrial | 0.0% |
情報技術:Technology | 0.0% |
生活必需品:Consumer Defensive | 0.0% |
ヘルスケア:Health Care | 0.0% |
公益事業:Utility | 0.0% |
社債:Corporate | 99.90% |
2023年5月15日時点(SeekingAlphaより)
HYGのメリットとデメリット
現在の株価の状況を見て分かる通り、社債は金利の影響が受けやすいですね。今の状況となると株価が大きく下落しています。ただし、もらえるインカムは変わらないので相対的に分配利回りが高くなり、投資妙味が増します。
当然、若い方はインデックス投資への長期にわたる資産形成が重要になりますが、ある程度の年齢になるとインカム投資も必要になると思いますので、このような銘柄への投資も検討していくのは良いでしょう。
メリット
- 安定した毎月分配で5%前後の高利回りで、インカム投資には良い。
- ハイリスクな投資先も1000以上にも分散をさせることでリスク低減。
- 手数料0.48%は許せる範囲。
デメリット
- 当たり前ですが、株価の成長は望めない。
- 金利に影響を受けやすく、信用不安などの時にも株価が大きく下落。
- 他の同様のハイイールド社債のJNK、SJNKなど他の銘柄の方が分配利回りは高い。(ただ、トータルリターンはどっこいどっこい)
HYGと他のETFのパフォーマンス比較
この数年の高金利で短期社債のSJNKのパフォーマンスが良いですね。あとはトータルリターンで見ると若干、JNKの方が高くなっています。こうなると、、、わざわざHYGに投資している必要あるかな?本気で変えようかな(笑)。
あと、HYLSはファーストトラストのハイイールド社債ETFですが、ロング・ショートなどの戦略も活用するようです。ただ、パフォーマンスはちょっと悪い状況です。
銘柄名 | プライス リターン (5年) | トータル リターン (5年) | 年平均 増配率 (5年) | 分配 利回り (TTM) | 分配 利回り (FWD) |
---|---|---|---|---|---|
HYG | -13.19% | 11.32% | -1.11% | 5.56% | 5.25% |
JNK | -15.00% | 11.17% | -0.67% | 6.58% | 6.58% |
SJNK | -10.80% | 17.09% | 1.52% | 7.08% | 7.08% |
HYLS | -16.75% | 10.77% | -0.28% | 5.76% | 5.81% |
2023年5月14日時点での過去7年のトータルリターン(TradingView)
HYGの分配の利回り率
年度 | 年末利回り | 平均利回り | 最大利回り | 最小利回り |
---|---|---|---|---|
2023 | – | 5.40% | 5.63% | 5.09% |
2022 | 5.30% | 4.66% | 5.38% | 4.02% |
2021 | 4.02% | 4.48% | 4.90% | 4.01% |
2020 | 4.88% | 5.15% | 6.36% | 4.85% |
2019 | 4.99% | 5.28% | 5.55% | 4.99% |
2018 | 5.54% | 5.17% | 5.64% | 5.07% |
2017 | 5.12% | 5.10% | 5.25% | 4.99% |
2016 | 5.27% | 5.68% | 6.33% | 5.27% |
2015 | 5.90% | 5.54% | 5.99% | 5.34% |
2014 | 5.69% | 5.81% | 6.09% | 5.63% |
2013 | 6.10% | 6.33% | 6.70% | 6.10% |
HYGの配当成長の状況について
年度 | 支払金額 | 年度末利回り | 年度別分配成長 (YoY) | 年度別分配成長 (YoY) |
---|---|---|---|---|
2022 | $3.9040 | 5.41% | 11.63% | – |
2021 | $3.4973 | 4.31% | -17.95% | 11.63% |
2020 | $4.2622 | 5.45% | -2.94% | -4.29% |
2019 | $4.3916 | 5.87% | -2.30% | -3.85% |
2018 | $4.4949 | 6.85% | 0.57% | -3.46% |
2017 | $4.4695 | 6.68% | -2.02% | -2.67% |
2016 | $4.5614 | 7.23% | -4.10% | -2.56% |
2015 | $4.7562 | 8.55% | -6.68% | -2.78% |
2014 | $5.0968 | 8.70% | -10.05% | -3.28% |
2013 | $5.6659 | 9.86% | -8.02% | -4.05% |
2012 | $6.1601 | 11.33% | -8.32% | -4.46% |
2011 | $6.7194 | 13.80% | -9.81% | -4.82% |
2010 | $7.4506 | 16.34% | -10.54% | -5.24% |
2009 | $8.3284 | 20.44% | 8.74% | -5.66% |
2008 | $7.6589 | 24.16% | 45.42% | -4.70% |
2007 | $5.2669 | 13.70% | – | -1.60% |
HYGの”投資戦略”と”まとめ”
🐸も、そろそろ引退などを意識しなければいけない年齢になってきていますが、インデックスの取り崩しだけではなく、ボラティリティの少ない国債、社債などのインカム系も考えています。
ただその時には利回りも重要ということで、ハイ・イールド社債が選択肢になりますね。
大体、そうなると、HYGやJNKが選択肢になりますが、この真上のグラフのように、一時期よりも社債の分配利回りは減ってきてしまっています。
長期で見る場合には考慮すべき点かなと思います。株価も下がっているので、利回りはそれほど変わらないと思います。
JPモルガンが提供している、超高配当のJEPIとJEPQのようなものが破竹の勢いで伸びてきています。資産クラスへの分散で社債ETFへの投資の価値があると考えています。
日本の社債、国債は利回りが低いですが、米国では高金利のものも多いいです。為替レートが気になるところですが、ポートフォリオの一角でリスクの分散、インカム強化に役立つファンドだと思います。
このブログの情報は「楽天証券」「SeekingAlpha」「TradingView」「MorningStar」「moomoo」などの情報を参考としています