PFFD:グローバルX 米国優先証券 ETFの詳細解説
この記事ではGLOBAL X社の米国高配当ETF、PFFDの詳細解説をしています。PFFDのような優先株への投資のメリット、デメリット、利回りなどについて知りたい方は必見です。
はじめに
QYLDなどの尖ったETFで有名なGLOBAL X社の米国高配当ETFです。このETFは株式ではなく、「優先株(ハイブリッド)」と言われ普通社債と株式の間のものを集めたものになっています。
その結果、弁済義務は普通社債より劣る(劣後)するものの、株式よりは上位というもので、一般的なリスクは高いため、社債より高利回りという内容です。
安定的に毎月分配金が入ってくることで、インカムを得ることが可能となっています。また2023年4月の段階だと、金融不安もあり株価が下落しており、利回りも高くなっていて魅力的な米国ETFになっています。
PFFDの基本情報
内部はさまざまな金融機関が発行している優先株が多くなっています。あまり見慣れないので、セクターや銘柄分布は気にしないでも良いかもしれないですね。ただ、2023年4月時点では6%を上回っているために狙い目になっています。
当然、金融機関の破綻懸念などもあるため、そういったリスクには気をつけておいた方が良いかもしれません。
グローバルX 米国優先証券 ETF(Global X US Preferred ETF)は、ICE BofAML・ダイバーシファイド・コア・米国優先証券・インデックスのパフォーマンス(手数料および経費控除前)に連動する投資成果を目指している。
運用会社 | GLOBALX |
銘柄名 | グローバルX 米国優先証券 ETF |
指数 | ICE BofA 10+ Year US Corporate TR USD |
上場市場 | NYSE Arca |
経費率 | 0.23% |
銘柄数 | 230 |
分配権利落ち日 | 2023/5/3 |
分配権利確定日 | 2023/5/4 |
分配配当日 | 2023/5/11 |
最終分配金 | $0.11 |
分配頻度 | 毎月 |
銘柄 | 構成比 |
---|---|
Wells Fargo & Co 7 1/2 % Non Cum Perp Conv Pfd Shs -A- Series -L- | 4.12% |
Bank of America Corp 7 1/4 % Non-Cum Perp Conv Pfd Shs Series -L- | 2.71% |
Citigroup Capital XIII Floating Rate Trust Pfd Secs Registered 2010-30.10.4 | 2.30% |
NextEra Energy Inc Unit ( 6.926% Corporate Units 01/09/2025) | 1.70% |
JPMorgan Chase & Co 6% PRF PERPETUAL USD 25 – Dep rep 1/400 Ser EE | 1.67% |
JPMorgan Chase & Co Pfd | 1.51% |
JPMorgan Chase & Co PRF PERPETUAL USD – Ser MM 1/400th | 1.43% |
JPMorgan Chase & Co PRF PERPETUAL USD – Ser LL 1/400th Int | 1.42% |
Wells Fargo & Co 4.75% PRF PERPETUAL USD 25 Series Z Class A | 1.40% |
AT&T Inc 4.75% PRF PERPETUAL USD 25 – 1/1000th Int Ser C | 1.31% |
セクター | 構成比 |
---|---|
素材:Basic Material | 0% |
一般消費財:Consumer Cyclical | 0% |
金融:Financial Service | 0% |
不動産:Real Estate | 0% |
通信:Communication Service | 0% |
エネルギー:Energy | 0% |
資本財サービス:Industrial | 0% |
情報技術:Technologyl | 0% |
生活必需品:Consumer Defensive | 0% |
ヘルスケア:Health Care | 0% |
公益事業:Utility | 100% |
その他、Corporate(社債)に97.04%、Cashに0.31%となっています。
2023年4月18日時点(SeekingAlphaより)
PFFDのメリットとデメリット
株価の上昇や増配などはほとんど期待できませんが、6%などの高利回りの状態で獲得できれば、その他の高配当ETFが時間をかけて増配していくのとほぼ同様の利回りがられます。
インカムを期待したい場合に、債券、株式の他の選択肢としてこの優先株などを中心としたETFを織り交ぜておくのが良いかもしれません。
メリット
- 安定して高い分配金がもらえる
- 2023年以降は下落しているが、比較的安定した株価を獲得可能。
- 230銘柄以上に広く分散した安定性
- 類似ファンドのPFFと比較すると手数料が半額。
デメリット
- 高金利状態で株価が大きく下落
- 金融機関が多く金融危機などになると大きく下落。
- 株価の成長、増配はそれほど望めない。
PFFDのパフォーマンスと他ETFとの比較
今回の比較対象は、株式系ではなく優先株や社債を中心にしました。PGXは海外では人気があるようですが、国内では買えないファンドです。
PFFDとPFFは直近の株価下落で落ち込んでいますが、過去5年のトータルリターンでは高い分配利回りに支えられ、30%以上のリターンがあります。
株価が下落している時に拾っておくというのも良いかもしれないですね。
銘柄名 | プライス リターン (5年) | トータル リターン (5年) | 年平均 増配率 (5年) | 分配 利回り (TTM) | 分配 利回り (FWD) |
---|---|---|---|---|---|
PFFD | -17.59% | 31.83% | 12.15% | 6.36% | 6.30% |
PFF | -15.63% | 32.58% | -0.57% | 6.46% | 7.09% |
PFFV | -% | -% | -% | 6.55% | 6.62% |
PGX | -19.28% | 5.62% | -3.19% | 6.10% | 6.21% |
JNK | -14.84% | 11.28% | -1.04% | 6.18% | 5.90% |
LQD | -6.47% | 8.68% | -0.13% | 3.46% | 3.74% |
2023年4月18日時点での過去5年のトータルリターン(TradingView)
PFFDの分配の利回り率
年度 | 年末利回り | 平均利回り | 最大利回り | 最小利回り |
---|---|---|---|---|
2023 | – | 6.26% | 6.73% | 5.87% |
2022 | 6.63% | 6.02% | 6.79% | 5.12% |
2021 | 5.09% | 5.13% | 5.36% | 4.99% |
2020 | 5.17% | 8.12% | 12.30% | 5.17% |
2019 | 8.66% | 6.45% | 8.66% | 5.62% |
2018 | 6.21% | 4.44% | 6.38% | 1.94% |
2017 | 1.94% | 0.78% | 1.94% | 0.00% |
PFFDの配当成長の状況について
年度 | 支払金額 | 年度末利回り | 年度別分配成長 (YoY) | CAGR to 2022 |
---|---|---|---|---|
2022 | $1.2840 | 6.73% | -2.16% | – |
2021 | $1.3123 | 5.83% | -1.70% | -2.16% |
2020 | $1.3350 | 6.56% | -38.43% | -1.93% |
2019 | $2.1682 | 12.25% | 54.94% | -16.02% |
2018 | $1.3994 | 9.50% | 190.64% | -2.13% |
2017 | $0.4815 | 3.14% | – | 28.70% |
PFFDの”投資戦略”と”まとめ”
優先株をまとめたPFFDは高い分配利回りと、安定した株価でポートフォリオの中でもインカムに貢献をしてくれるでしょう。
株式を中心としたポートフォリオの中で、国債、社債と並んで優先株のETFを並べておくのはリスクの分散やインカムの獲得という戦略としては良いのではないでしょうか?
優先株ではブラックロックのPFFというのもあるのですが、手数料が半額のPFFDがかなり気に入っています。またPFFVという変動金利のものもありますが、銘柄はPFFDとかなり重複しているようです。
実は、癖の多いGLOBAL Xの米国ETFの中ではPFFDが一番、優れているのではないかなと個人的に思っています。また安定した毎月分配で引退世代の方にも一つの選択肢になると思います。
ただ、JEPI/JEPQなどが出てきているため、利回りの面ではそちらに集中してしまいたいと思いますが、現在の下落株価で購入をして基準価格が上がったら売却してリバランスの材料にするなども考えられるのではないかと思います。
不安定な株式中心のETFで利回りが4%程度であれば、PFFDのように現在、安定した毎月分配で6%を超えるようなETFを高配当好きの方は入れておいてもいいでしょうね。
このブログの情報は「楽天証券」「SeekingAlpha」「TradingView」「MorningStar」「moomoo」などの情報を参考としています。