TOTL:SPDR ダブルライン・トータル・リターン・タクティカルETFの詳細解説
この記事では、債券ETFであるTOTL:SPDR ダブルライン・トータル・リターン・タクティカルETFについて詳しく解説します。メリット、デメリット、パフォーマンスと他のETFとの比較など、TOTL投資の全てをカバーしています。
はじめに
正式名称にある通り、こちらはステートストリート社と、債券王と言われるガンドラック氏率いる米運用会社ダブルライン・キャピタル社が一緒に運用をしているファンドになります。
一般的な債券ETFと比較すると高利回りなこのETFに関して説明をして行きたいと思います。
TOTLの基本情報
TOTLは一般的な債券だけではなく、モーゲージローンなどの証券化された資産にも多く投資をしています。そういう意味で言うと純粋な国債や社債などだけに投資をしているBNDやAGGとは異なる方式です。
同一の指数ですとSPDR ポートフォリオ米国総合債券ETF(SPB)というファンドがありますが、こちらは適格債券に投資をしており、ほぼBNDやAGGと同じ動きをしています。
そのような安定した債券と同じような動きをしながら、高利回りを実現することを目標としているETFとなります。
SPDR ダブルライン・トータル・リターン・タクティカルETF(SPDR DoubleLine Total Return Tactical ETF)は、ブルームバーグ・バークレイズUSアグリゲート指数をベンチマークとし、アクティブ運用によるコア型の債券エクスポージャーを提供する。 伝統的および非伝統的な債券アセットクラスを組み合わせ、セクター・アロケーション及び銘柄選択をアクティブに行い、マーケット・サイクルを通じてトータル・リターンを最大化することを目標とする。
運用会社 | ステートストリート |
銘柄名 | SPDR ダブルライン・トータル・ リターン・タクティカルETF |
指数 | Bloomberg U.S. Aggregate Bond TR |
上場市場 | NYSE Arca |
経費率 | 0.55% |
銘柄数 | 1316 |
分配権利落ち日 | 2023/6/1 |
分配権利確定日 | 2023/6/2 |
分配配当日 | 2023/6/7 |
最終分配金 | $0.15 |
分配頻度 | 毎月 |
銘柄 | 構成比 |
---|---|
United States Treasury Bonds 3.625% | 4.71% |
United States Treasury Notes 3.375% | 3.08% |
State Street Instl US Govt MMkt Premier | 1.19% |
Federal National Mortgage Association 3% | 0.97% |
Federal Home Loan Mortgage Corporation 4% | 0.91% |
Securitized 07-Br5 5.33043% | 0.87% |
Fnma Pass-Thru I 4% | 0.77% |
Fnma Pass-Thru I 3% | 0.75% |
Government National Mortgage Association 3% | 0.70% |
セクター | 構成比 |
---|---|
素材:Basic Material | 0.0% |
一般消費財:Consumer Cyclical | 0.0% |
金融:Financial Service | 0.0% |
不動産:Real Estate | 0.0% |
通信:Communication Service | 0.0% |
エネルギー:Energy | 0.0% |
資本財サービス:Industrial | 0.0% |
情報技術:Technology | 0.0% |
生活必需品:Consumer Defensive | 0.0% |
ヘルスケア:Health Care | 0.0% |
公益事業:Utility | 0.0% |
国債:Government | 24.23% |
証券化:Securitized | 60.13% |
社債:Corporate | 14.25% |
2023年6月28日時点(SeekingAlphaより)
TOTLのメリットとデメリット
債券のアクティブファンドとして日本で買えるのがこのTOTLです。BNDやAGGなどと同じような値動きを目指していますが、勝ったり負けたりというです。
この数年は価格がBNDと同じような動きながら、利回りは2%以上高いということ。また毎月分配で、現在は5%前後の利回りということで、十分な高配当銘柄となっています。
メリット
- 安定した毎月分配で5%前後の高利回りで、インカム投資には良い。
- 投資先も国債、社債、証券化商品1000以上にも分散をさせることでリスク低減。
- 値動きも債券なのでマイルドなため、分散先としても良い。
デメリット
- 当たり前ですが、株価の成長は望めない。
- 米国金利に影響を受けやすく、近年は価格が下落中。
- 分配利回りが高いですが、手数料が0.55%と高い。BNDやAGGと比較するとかなり高くなる。
TOTLと他のETFのパフォーマンス比較
TOTLは利回りの高さは魅力ですがトータルリターンが低めなのが気になります。過去5年のリターンで他の社債・国債系ファンドと劣後しているようです。
直近3年だとBNDやLQDよりもトータルリターンが上回っており、最近の傾向を考えると悪くなさそうであると考えています。今後、パフォーマンスの状況を見て、今後、手放すかどうかなども決めたいと思います。
銘柄名 | プライス リターン (5年) | トータル リターン (5年) | 年平均 増配率 (5年) | 分配 利回り (TTM) | 分配 利回り (FWD) |
---|---|---|---|---|---|
TOTL | -14.95% | 1.49% | 6.52% | 4.93% | 4.85% |
LQD | -6.30% | 9.29% | 0.61% | 3.70% | 3.90% |
HYG | -12.19% | 12.64% | -0.92% | 5.60% | 5.67% |
BND | -8.52% | 10.56% | -6.50% | 2.77% | 3.10% |
2023年6月28日時点での過去5年のトータルリターン(TradingView)
TOTLの分配の利回り率
年度 | 年末利回り | 平均利回り | 最大利回り | 最小利回り |
---|---|---|---|---|
2023 | – | 4.75% | 4.96% | 4.51% |
2022 | 4.68% | 3.83% | 4.68% | 3.07% |
2021 | 3.07% | 2.84% | 3.07% | 2.74% |
2020 | 2.91% | 3.10% | 3.43% | 2.80% |
2019 | 3.31% | 3.41% | 3.46% | 3.31% |
2018 | 3.41% | 3.12% | 3.45% | 2.98% |
2017 | 3.00% | 3.18% | 3.29% | 3.00% |
2016 | 3.25% | 3.04% | 3.26% | 2.65% |
2015 | 2.67% | 1.18% | 2.67% | 0.00% |
TOTLの配当成長の状況について
年度 | 支払金額 | 年度末利回り | 年度別分配成長 (YoY) | 年度別分配成長 (YoY) |
---|---|---|---|---|
2022 | $1.8721 | 4.77% | 28.94% | – |
2021 | $1.4519 | 3.27% | 1.26% | 28.94% |
2020 | $1.4338 | 3.19% | -11.65% | 14.27% |
2019 | $1.6229 | 3.74% | 0.49% | 4.88% |
2018 | $1.6149 | 3.98% | 10.84% | 3.76% |
2017 | $1.4570 | 3.62% | -7.31% | 5.14% |
2016 | $1.5720 | 4.05% | 21.02% | 3.89% |
2015 | $1.2989 | 3.44% | – | 6.79% |
2023年6月28日時点
TOTLの”投資戦略”と”まとめ”
利回りは近年の価格下落の結果、上昇しています。まさに、安いうちに買っておければいいようなファンドですね。
株式ファンドや、社債・国債ファンドを買われている方も多いともいます。ただ、今回のTOTLや日本で買えないBONDのようなアクティブな債券ETFも利回りの面で魅力的かと思います。
手数料の高さを考えると、もう少しパフォーマンスが高いといいのになぁ、、、とは思いますが、毎月分配、マイルドな値動き、比較的高い分配金ということで気に入っています。
実は、TOTLと似たJPIEというJPモルガンのETFがあるのですが、日本で売ってないんですよね。しかも「JEPI」と似ているので、超間違いやすいです。。。ややこしい。
もっと日本でも投資ブームが起こって、こういうETFをもっと買えるようになるといいのになーって思います。
このブログの情報は「楽天証券」「SeekingAlpha」「TradingView」「MorningStar」「moomoo」などの情報を参考としています。