投資家カエル

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群衆心理

ギュスターヴ・ル・ボン 著/桜井成夫 訳(講談社学術文庫)

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カエルの感想

1895年、フランス革命から約100年後に書かれた本で、群衆がどう動くのかを描いた衝撃的な内容でした。なぜ衝撃的なのか。ここに書かれていることが、現代の政治や社会、そしてSNSの影響にそのまま通じるからです。

結局、「正しいこと」はなかなか伝わりません。ル・ボンによれば、人を動かすのは根拠ではなく、強い言葉での言い切りです。人は群衆になると衝動的になり、扇動する側に動かされやすくなります。そこに教養のあるなしは関係ありません。

鍵は「断言・反復・感染」です。中身が荒唐無稽でも、断言し、繰り返すうちに一部の人に感染し、やがて大きなムーブメントになります。さらに「威厳」が効きます。政治家、社長、医者、弁護士といった肩書きがあると、主張はなおさら後押しされてしまいます。

『バカと無知』や『サピエンス全史』にも通じる話が出てきます。独裁者や扇動家、悪い意味でのインフルエンサー、迷惑系と呼ばれる人がなぜ支持を集めるのかが見えてきます。「自由・平等・博愛」を掲げながら、ギロチンでの処刑が続いた時代を題材に、人間の認知の不思議を思い知らされる一冊です。

この本に書かれていること

  • 群衆の中に入ると、人は理性より感情で動き、衝動的で暗示にかかりやすくなる。教養のある人も例外ではない。
  • 群衆は理屈ではなくイメージで考える。筋道だった説明より、印象的な場面や短い言葉に強く動かされる。
  • 人を動かす手段は「断言・反復・感染」。根拠を示すより、言い切って繰り返すほうが広まり、考えは伝染するように広がる。
  • 「威厳(プレスティージ)」は、人の批判する力を弱める。権威や名声のある人の主張は疑われにくい。
  • 同じ場所に集まっていなくても、強い感情を共有すれば、人は群衆と同じ心理状態になり得る。

本の情報

書名群衆心理(講談社学術文庫)
著者ギュスターヴ・ル・ボン
訳桜井成夫
出版社講談社
発行1993年9月(文庫)
原書Psychologie des foules(1895年)

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