株式インデックスファンドの王道と言える本で、長期投資をするうえでとても大切な一冊だと思います。市場平均のリターンを取れれば、多くの個人投資家にとっては十分であり、それが最適な答えの一つだということ。積立投資で資産をつくっていくための、土台になる本です。
とはいえ、この本の一部だけが、大きく解釈されて広まっているとも感じます。たとえば債券について、この本は「持つか持たないか」ではなく「どのくらいの割合で持つか」を考えるべきだという趣旨を書いています。決して「株式100%でよい」と言っているわけではなく、リスクの管理についても、きちんと述べています。
手数料についても、本の中心にあるのは「投資家全体では、市場平均からコストの分が引かれる」という考え方です。ところが世の中では、低コストのインデックスファンド同士で、わずかな手数料の差を比べる話が多いように思います。抜き出された情報で勘違いしないためにも、この本は通して読むのがよいと思います。
私がいちばん大切だと思うのは、「投資のリターン」と「投機のリターン」の違いです。投資のリターンは、配当と企業の利益の成長から生まれます。投機のリターンは、株価が利益の何倍で買われるかの変化から生まれ、長い目で見ると平均に戻っていきます。相場を読まず、企業の利益と配当の成長に長く賭け続ける。この考え方は、「株価は上がり続ける」という神話ではなく、確かな根拠があることを教えてくれます。
| 書名 | インデックス投資は勝者のゲーム ──株式市場から利益を得る常識的方法 |
|---|---|
| 著者 | ジョン・C・ボーグル |
| 監修・訳 | 長尾慎太郎 監修/藤原玄 訳 |
| 出版社 | パンローリング(ウィザードブックシリーズ Vol.263) |
| 発行 | 2018年5月(電子版は2021年5月) |
| 原書 | The Little Book of Common Sense Investing(10周年記念版) |
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