私がこの本を知ったきっかけは、世界中のいろいろなポートフォリオを調べていたときでした。安定しているのにリターンも高いポートフォリオがあり、それがイェール大学の基金でした。その運用責任者が、著者のデビッド・スウェンセンさんです(基金の運用そのものは、未上場株なども使う機関投資家向けのもので、個人がそのまま真似できるものではありません)。
この本で彼は、個人には低コストのインデックスファンドを勧めています。ただ、1つの株式インデックスを持つだけでなく、複数の資産に分けて持ち、決めた比率に戻し続けることを重視しています。大学の運営を毎年支えなければいけない基金の責任者だからこその、「守り」と「規律」の考え方が参考になりました。私は「買い続けること」が規律だと思っていましたが、「リバランスこそが規律だ」と感じたのは、この本です。
また、投資信託は手数料が高いから悪いというより、業界全体が利益相反になりやすい構造なのだと知りました。非課税で営利企業ではない大学基金の立場から見ているからこそ、その構造がよく見えたのだと思います。
| 書名 | イェール大学流資産形成術 ――顧客本位の投資信託とは何か |
|---|---|
| 著者 | デビッド・スウェンセン |
| 監修・訳 | 長岡半太郎 監修/山下恵美子 訳 |
| 出版社 | パンローリング(ウィザードブックシリーズ Vol.305) |
| 発行 | 2020年12月(電子版は2021年5月) |
| 原書 | Unconventional Success(2005年) |
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